アメリカのバスルームと日本のお風呂・トイレの違い
アメリカに来て改めて感じるアメリカのバスルームと日本のお風呂、トイレの違いについて。
ちなみに、イギリスやオーストラリアなどではToiletはトイレの意味で使われますが、アメリカではToiletは便器を指すので「I’m going to the toilet.」とは言いません。アメリカでトイレと言いたいときは、家ならBathroom、お店などならRestroomを使いましょう。
バスルームの定義
アメリカのバスルームはシャワー、バスタブ(最近はないことも多い)、トイレ、洗面台がそろったものをフルバス(1 Bathroom)と呼び、これが基本です。トイレと洗面台のみのものはハーフバス(0.5 Bathroom)と呼びます。
アメリカの家探しでもバスルームの数やタイプは重要なチェックポイントです。
日本のお風呂トイレと違う点
お風呂とトイレ、洗面台が一緒の部屋にある
まず違いとして感じるのがこれでしょう。日本でもユニットバスとしてお風呂とトイレが一緒になっていることはありますが、スペースに余裕がある場合はお風呂とトイレは別にします。しかしアメリカはどんなにスペースがあっても一緒にします。
バスルームが家に複数ある場合は、2つ目以降はハーフバス(トイレと洗面台のみ)になる場合もありますが、それでもお風呂だけというのはありません。
バスタブが浅い
アメリカではお風呂はシャワーが基本で、バスタブに浸かるのは子供くらいという考えです。映画などに良く出てくる泡風呂も日常的なものではなく、休暇や特別リラックスしたいときだけです。
そのため、お湯に全身浸かることを想定していないので、湯船が浅く作られています。でもたまに深めのバスタブもあるので、家探しのポイントになるかもしれませんね。
シャワーヘッドが固定
日本でシャワーといえばシャワーヘッドにホースがついていると思いますが、アメリカではシャワーヘッドのみの場合が多いです。こっちでは泡を完全に流さないでタオルで拭くだけというのが普通なので、ホースはあまり必要ないようです。
でもやはり泡はしっかり流したいし、お風呂を洗うのもホースがあったほうが便利ですよね。ということでホース付きシャワーヘッドに付け替える人も多くAmazonでも安く売っています。
お湯の量が調節できない
アメリカではシャワーの操作はシングルハンドルが一般的です。
写真のように、5時の位置にあるハンドルを反時計回りに回してメモリを動かしていきます。水が出始めメモリが6時の位置で水量が最大になります。さらに回すとお湯になり温度が上がっていきます。つまり冷水の量は調節できますが、お湯は温度調節のみで水量は常に最大になります。
また一度止めると、また温度調節しなければならないんです。。
私も初めて使ったときにとても戸惑いました。(笑)
ベッドルームがバスルームにつながっている
アメリカで家探しをする中で一番違いに驚いたのがこれ。
アメリカでは、メインベッドルームにはバスルームがくっついています。しかも廊下からもベッドルームからも入れるならまだしも、ベッドルームからしか入れないことがほとんど。
バスルームが2つ以上ある場合は少なくとも1つは廊下に面していることがほとんどですが、1ベッドルームの家でバスルームが1つしかなくても廊下に面していないこともあります。
また、下の図面のようにウォークインクローゼットを通り抜けないとバスルームに行けないという部屋も多いです。ちなみに我が家もこのタイプ!
さらには、バスルームの先にウォークインクローゼットという部屋まであります!湿度の高い日本では考えられない作りです。
違いの理由はフィロソフィーが異なるから
このようにたくさんの違いがあるため、日本から来てアメリカのバスルームを見ると、いろいろな違和感を感じると思います。しかしこれは当然で、日本のお風呂やトイレとはそもそものフィロソフィーが全く異なるのです。
アメリカのバスルームはプライバシー重視
アメリカの住宅はプライバシーを重視した作りになっていて、家主専用のプライベートスペースと、来客も立ち入れるパブリックスペースは明確に分けられています。
家主のベッドルーム、バスルーム、クローゼットはプライベートスペースとしてひとまとめになっています。また追加でファミリールームがあることも多いです。一方でキッチンやリビング、廊下に面したバスルームはパブリックスペースとして来客も立ち入れます。
また、来客用のセカンドベッドルームにも専用のバスルームが付いていたり、付いていない場合もセカンドベッドルームのすぐそばにバスルームがあります。これは来客も家主を気にせずにバスルームを使用できるように考えられているためです。
日本では銭湯や温泉もありお風呂は共有するのが当たり前という文化ですが、アメリカではよりプライベートな空間なんですね。
アメリカと日本ではお風呂に求めているものが違う
日本のお風呂になれていると、どうしても目の前に便器が見えていると落ち着きません。これは、日本ではお風呂は汚れを落として清潔になりお湯に浸かってリラックスする場所と考えているから。
一方アメリカでは、お風呂(シャワー)でお湯に浸かることはあまりなく、ゴシゴシ体を洗ったりもしません。つまり軽く水浴びする場所であって、そこまで清潔になるわけでもリラックスする場所なわけでもないんです。そもそもシャワーカーテンしていると便器も見えませんし。
この違いのために、アメリカでは汚れを洗い流す水回り空間としてバスルームに全てが集約されているのです。
こうやって考えると文化の違いは面白いなぁと思うのですが、でもやっぱりバスタブから便器が見えるのはリラックスできません!
今回は気になるバスルームとお風呂トイレの違いについて書いてみました。家探しなどの参考にどうぞ。