アメリカで投資に挑戦【国債編】
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せっかくアメリカに住むならアメリカで投資にも挑戦!ということで今回は国債を購入してみました。
- 低リスクで投資したい人におすすめ
- 期間が選べるので短期運用も可能
- 政府公式サイト「Treasury Direct」ならアカウント開設も購入も簡単♪
なぜアメリカ国債に投資するのか
国債とは
まず国債とは何かというと、政府が発行する債権で、満期まで保有するとあらかじめ約束した金額(額面金額)を受け取ることができるという金融商品です。
また満期まで1年以上あるものには利息がつきます。
なぜアメリカ国債がおすすめなのか
様々な投資商品があるアメリカにおいて国債がおすすめな理由は、まず第一に「満期まで保有した場合にいくら受け取ることができるかが確定している」という点です。つまり損するリスクをとらずに運用することが可能です。
それでいながら、日本より格段に高い利回り(購入価格と売却価格の差分、利息などを合わせた年間利益率)で運用できます。
さらにアメリカ国債の場合、アメリカ政府が額面金額と利息の支払いを保証しているという抜群の安心感があります。
また、銀行の定期預金とよく比較されますが、国債は州税が非課税なので多くの場合で定期預金より利回りが良いです。
アメリカ国債の種類
アメリカ国債は大きく分けると無記名式(Bills, Notes, Bonds)と記名式(U.S. Savings bonds)の2つがあります。
いろいろあってややこしいという場合は、短期運用におすすめのBillsとI Bondのところだけ見てもらえば良いと思います。
- Bills, Notes, Bonds
- 無記名式(誰でも市場で自由に売り買いできる)
- 購入はアメリカに住んでいる必要なし
- 購入額の上限なし
- いつでも証券会社を通して売却可能
- U.S. Savings bonds(EE Bonds, I Bonds)
- 記名式(登録された人しか払い戻しできない)
- 購入はアメリカに住んでいる必要あり(要Social Security Number)
- 購入額の上限あり
- 市場で売却不可(1年以上所有すれば中途償還は可能)
Bills, Notes, Bonds
無記名式のBills, Notes, Bondsはどれも新規発行分は割引価格で販売されますが、具体的な価格はオークション形式で購入後にわかる仕組みです。
- T-BILL (Treasury Bills)
- 償還までの期間が1年未満の国債
- 一般的な4 weeks(1ヶ月), 13 weeks(3ヶ月), 26 weeks(半年)などの他に7 daysなどの超短期のものもある。
- 利息はない。
- 新規発行分は額面金額より安い割引価格で販売され、償還時に額面金額が払い戻される。
- T-NOTE / T-BOND (Treasury Notes / Treasury Bonds)
- 償還までの期間が1年〜10年の国債をNotes、10年以上の国債をBondsと呼ぶ
- 一般的に2年、3年、5年、7年、10年、20年、30年などがある。
- 6ヶ月ごとに利息が支払われる。
- 新規発行分は額面金額より安い割引価格で販売され、償還時に額面金額が払い戻される。
U.S. Saving Bonds (EE bonds, I Bonds)
記名式のU.S. Saving BondsにはEE BondsとI Bondsの2つがあります。
購入にはSocial Security Numberが必要なため、アメリカ在住者のみ購入可能。また、それぞれ一人あたり年間10,000ドル分が上限とされているのも特徴。
特にI Bondは高金利なので、できれば上限の10,000ドル分買っておきたいところです。
- EE Bonds
- 購入時の割引はなし
- 20年で元本の2倍になることが保証されている(金利で2倍に到達しない場合、途中で調整が入る)
- 固定金利(20年所有した場合、年利に直すとおよそ3.53%に相当)
- 購入額の上限は年間10,000ドル
- 償還までの期間は30年だが、1年以上所有すれば中途償還可能(ただし5年以内に償還すると、最後の3ヶ月分の利息がもらえなくなる)
- I Bonds
- 購入時の割引はなし
- インフレ率に応じて半年毎に金利が変動
- 購入額の上限は年間10,000ドル(確定申告の還付金で購入すれば+5,000ドル)
- 償還までの期間は30年だが、1年以上所有すれば中途償還可能(ただし5年以内に償還すると、最後の3ヶ月分の利息がもらえなくなる)
アメリカ国債はどこで買えるか
アメリカ国債は、Treasury Directか証券会社で購入することができます。新規発行の国債を購入する場合、手数料のかからないTreasury Directがおすすめ!
証券会社
証券会社では、「新規発行の国債」と「市場で売買されている国債」のどちらも買うことができます。新規の国債は毎日発行されるわけではないので、好きなタイミングで購入できるのが最大のメリットです。
一方デメリットは、手数料がかかることです。取引毎に50ドル程度はかかるため、短期の国債では利益がなくなってしまいます。
Treasury Direct
Treasuy Directはアメリカ財務省のwebサイトで、「新規発行の国債」のみ購入できます。発行タイミングは数日に一度という感じ。
そして最大のメリットは手数料がかからないこと!
そのため少額や短期の国債でもちゃんと利益を得ることができます。
実際にアメリカ国債を買ってみる
現在インフレ真っ只中ということで高金利のI Bondsと、短期で気軽に運用できるBillsを購入してみました。
どちらもTreasury Directなので簡単です。
Treasury Directは派手さはないけどとても使いやすいサイトです!
Treasury Directのアカウントを作る
アカウント作成は簡単で、銀行口座、Social Security Number、電話番号(※)があればwebから簡単に申し込めます。
Treasury Directのトップページの、「Log In」ボタンの下にある「Open a New Account」から申請します。
アカウント申請で特に難しいところはありませんでしたが、不安があればこちらのブログで詳細に解説されているので参考にどうぞ。
I Bondの購入
アカウントを作ってしまえばTreasury Directでの国債購入は非常に簡単です。
ではI Bondを購入してみます。
まずトップページからログインします。
上のタブからBuyDirectを選択します。
Saving Bondsの「Series I」を選択して「Submit」をクリック。
Purchase Amountに金額を入力して購入します。赤字でも書いてありますが年間一人10,000ドルが上限です。
スケジュールを設定して毎月や毎年自動的に購入することもできる。
購入が完了すると確認画面が出ます。これで完了!
Billsの購入
I Bondsだと年間10,000ドル以上買えないため、Billsも購入してみました。
Billsは毎日発行されているわけではないので、まずはいつどんなBillsが発行されるか見てみます。
Treasury Directのトップページの「Auctions」から、「Upcoming Auctions」をクリック
Upcoming Auctionsには近日発行予定のBills, Notes, Bondsの一覧が表示されます。購入したいBillsがあればこのAuction Dateまでに購入手続きをします。
また、「Auction Results」タブをクリックすると参考として最近のオークション結果(販売価格の実績や利回り)を見ることができます。
私が購入した2023年3月時点ではどのBillsも利回り5%前後でした。日本の国債や定期預金と比べると遥かに高いです!
I Bondsの場合と同じようにログインしてBuyDirectまで進みます。
Marketable Securitiesの「Bills」を選択して「Submit」をクリック。
直近で発行されるBillsの一覧が出るので、購入する期間を選択します。ここでは3/14に発行される4-week Billsを選んでみました。
購入金額も入力します。
スケジュールを設定すれば、償還日に発行される同じ期間、同じ金額のBillsに自動で再投資されるようにもできます。途中で変更やキャンセルは何度でもできるので、一旦スケジュール設定しておくのがおすすめです。
なお、スケジュール設定しておくと、次回自動再投資時に償還額面との差額分が指定の口座に入金されます。
我が家では余分資金の多くを13 week(3ヶ月)で、一部を急な出費に備えて4 week(1ヶ月)で複数スケジュール設定して運用しています。
購入前の確認が出るので内容に間違いがないか確認して「Submit」をクリック。
購入後に確認画面が出るのでこれで完了です。
今回は初めてアメリカ国債を購入してみました。とても簡単なのでアメリカに住む機会があればおすすめです。
また別の投資にもチャレンジしてみたいと思います!