食のこと

アメリカのカラフルすぎるスイーツたち

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ボストンライフ管理人

アメリカのスーパーに行くと、思わず二度見してしまうカラフルなスイーツが目に飛び込んできます。今回はそんなアメリカのカラフルなスイーツを見て感じたことを書いてみます。

アメリカにカラフルなスイーツが多い理由

アメリカでは早くから食品業界が食品の色に着目していたことに由来すると言われています。新鮮な肉や栄養価の高い野菜、果物は鮮やかな色をしているため、消費者心理を利用して様々な着色料が使用されるようになりました。

子供向けのスイーツについても子供の目を引く色、子供の好きな色が採用されたことで、そのスイーツを食べて育った大人もまた、スイーツといえば鮮やかな色を連想するようになったのです。

人間は雑食で様々な地域、環境に暮らしていて、実に多様な食物を食べる必要があります。それに対応するため、食べ物の色に対する印象については生まれてからの経験で身に付くようになっています。

つまり、どのような色の食べ物を好むかは個人の経験によるのです。スーパーで写真の鮮やかな色のスイーツを見た時はギョッとしましたが、これも文化が違えば当然のことです。

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日本でイクラや生イカが美味しそうに見えるのと同じように、アメリカではこれを見て美味しそうと感じる人が多いということなんですね。チョコミントなんかは日本にもあるので全然受け入れられてる自分がおもしろい。

これを機に、日頃から思う食と色、着色料を含む食品添加物についても書いておこうと思います。

食と色の関係

食は五感で味わうものとよく言われますが、視覚の影響は想像以上に大きく、味覚や嗅覚より重要という研究結果もあったりします。

例えばオックスフォード大学の心理学者Charles Spenceの実験で、ボルドー大学のワイン醸造学を学ぶ学生たちに対し、白ワインと、その白ワインに赤い着色をしたワインを飲んで味を表現してもらうというものがありました。その結果、白ワインの味を「蜂蜜」や「レモン」という言葉で表現したのに対し、赤い着色をした白ワインは「チコリ」や「プラム」、「タバコ」という言葉で表現しました。しかもこれはスペインで最も有名なソムリエにおいても同様の結果になったのです。

つまりそれほどまでに人は視覚で判断してしまうということです。

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食品添加物は悪者なのか

食品添加物は体に悪くない

最近、着色料に限らず食品添加物に対する間違った認識が広まっているように感じます。もちろん食の選択については個人の自由ですが、正しい知識を持った上で判断する必要があると想います。

食品添加物というと悪い印象を抱く人が多いようです。確かに過去には食品添加物の体への影響が検証されていなかった時代があり、危険な添加物が一般に使用されていたことがあります。しかし現代では安全性と有効性を科学的に評価し、日本であれば厚生労働大臣が認めたもののみ、食品添加物として使用できるように決められているため、通常の摂取量で健康を害すことはありません。

また、保存料に関していえば、微生物の増殖を防ぎ食中毒のリスクを下げる効果があるため、入っている方が安全とも言えるかもしれません。

なので、本来は食品添加物を避ける必要性はないのです。

天然の成分は安全?

食品添加物に不安感を抱いている人の中には、せめて天然の添加物なら安心できるという方も多いでしょう。しかし、「天然のもの=安全」「化学合成されたもの=危険」という認識は誤りです。例えば発がん性が指摘され使用禁止になったアカネ色素は、植物由来の天然の着色料です。

安全性というのは天然か化学合成かで判断することはできないのです。むしろ安全性の確保という観点では、化学合成で作られた物質は安全性を実験で確かめることができるので、科学的な安全性のデータのない天然の物質よりも安全性を確保しやすいとも言えます。

ちなみに、食品添加物で天然には存在しない物質というのはとても少なく、ほとんどはもともと天然の植物などに含まれるものを抽出したり、それを化学的に合成、製造したもので、天然のものと化学合成したもので安全性に違いはありません。

そもそも食品添加物をむやみに避けること自体必要ないのですが、天然の添加物のものを選ぶことも意味のないことなのです。

添加物よりも気をつける必要があること

とは言ったものの、食の選択は基本的に個人の自由です。どうしても気になってしまうというのも仕方ないでしょう。ただ個人的には添加物に気をつけるよりも大事なことがあると思っています。

食の安全よりも栄養バランスを考えるべし

着色料などの添加物に根拠のない心配をするよりも、間違いなく健康に大きく影響する栄養バランスに気をつけた方がはるかに有意義です。これは添加物に限らず有機野菜などにも言えることですが。

他人の想いを考えるべし

アメリカにいる日本人でよく耳にするのは、子供に対し着色料を使ったお菓子などを口にしないように教育するというものです。子供は従順なので、みんなが食べていても、誰かが取り分けてくれても、自分だけは食べなくなります。これはとてもかわいそうだと思います。

まず第一に、体に悪いのは明らかに着色料よりも砂糖の取り過ぎの方なのに、「色のついたものは体に悪い」という間違った知識を与えてしまいます。もしかしたら嫌いになってしまうかも。何か言うのであれば「何個まで」とすべきでしょう。

また、食事を共にするというのは、人間にとって太古からある非常に重要なコミュニケーション手段です。同じものを一緒に食べて共有することで互いの距離を縮めることができます。これは子供に限らず大人にも当てはまりますが、アレルギーやどうしても苦手なものでないならば、先入観を捨ててどんなものでも一緒に食べられた方が人間関係がうまくいきます。大げさかもしれませんが、子供のそんな機会も奪っているのかもしれません。

大切なのは根拠のない心配や拘りよりも、作ってくれた人、共に食べる人の想いではないでしょうか。

なので、もし誰かの家で冒頭の写真のカップケーキが出てきても、私は喜んで食べます!(ただしおそらく甘すぎるので1個まで笑)

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Boston Life管理人
Boston Life管理人
日本生まれ日本育ちですが、突然アメリカに引っ越すことになりボストンへ。
日本とアメリカの違いを楽しみながら日々暮らしています。
せっかくなので何か新しいことに挑戦しようと、ただいま幅広く物色中。
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