海外に引っ越すなら日本の家は売るべき?貸すべき?
アメリカに引っ越す際、持ち家ならまず考えるべきは日本の家を売るか貸すか。私は結果的に売ることにしましたが、ケースバイケースなのでメリットとデメリットを知りよく考えましょう。
- どちらが良いかはケースバイケース
- 損得よりも価値観や状況で判断すべし
- まずは早めに不動産屋に相談!
日本の家を売るメリットとデメリット
日本の家を売るメリット
家を売る場合の主なメリットは以下の点です。
- まとまったお金が手に入る
- 管理や維持の手間とコストがかからなくなる
- 将来日本に戻った時に好きな場所に住める
まとまったお金が手に入る
家の売却で現金を得られるので、引っ越しや家賃、家具家電を揃えるのに充てられます。特に、アメリカは日本よりも物価が高く家賃も高いので初期費用は多めに用意する必要があります。
管理や維持の手間とコストがかからなくなる
家を貸す場合、管理会社へ支払う管理委託費用がかかります。また毎年固定資産税を納める必要があり、賃料収入については確定申告しなければなりません。
家を売るとこれらの必要がなくなります。(注:売った場合も売却翌年の確定申告は必要!)
将来日本に戻った時に好きな場所に住める
確かに、元の家は安心して戻れる場所です。しかしその時の自分にとってその家がベストな家でしょうか。
これまで何度も引っ越しをしてきた経験からも、住む場所それぞれに違う良さがあります。またライフステージ毎に合う家や住む場所も変わってくるものです。
私が突然海外に引っ越すことになったように、将来のことは誰にもわかりません。だからこそその時点で住みたい場所、家に住めるように縛りをなくすというのもアリだと思います。
日本の家を売るデメリット
家を売る場合の主なデメリットは以下の点です。
- 家を手放すことになる
- 手続きに時間がかかる
- 住宅ローンを完済する必要がある
家を手放すことになる
当然ながら、家を手放せば今後運用したり自分で住むことはできなくなります。今後も活用する場合はそれまで貸すのがよいです。
手続きに時間がかかる
よく家の売却はざっくり6ヶ月かかるといわれますが、私の場合ちょうど6ヶ月でした!(笑)
ちなみに不動産会社に「仲介」ではなく「買取り」をお願いすると1ヶ月以内に完了できますが、売却価格は2〜3割下がってしまうのでよほど急ぎでない場合おすすめしません。
海外に引っ越す場合に特にネックになるのはここかと思います。しかし出国予定まで6ヶ月もないという場合もご安心を!売却完了(決済および引き渡し)が出国日後になっても大丈夫です。これについては別記事で。
住宅ローンを完済する必要がある
住宅ローンを組んでいる場合、抵当権が設定されているため住宅ローンを完済して抵当権を外す必要があります。売却代金より住宅ローンの残高が高い場合は自己資金で補うことになります。ただ最近は住宅価格が上昇傾向にあるため、売却で利益が出ることが多いかと思います。
日本の家を貸すメリットとデメリット
日本の家を貸すメリット
家を貸す場合の主なメリットは以下の点です。
- 家を所有していられる
- 家賃収入が得られる
- 手続きが早い
家を所有していられる
賃貸契約が満了すれば、将来日本に戻った際に再び住むことができます。もし期間が決まっているようなら、あらかじめ2年など期間を決めて貸す「定期借家契約」も選択肢です。
家賃収入が得られる
住宅ローンの返済や管理会社への支払い、税金等を差し引くとわずかかと思いますが、家賃収入が得られます。
なお、住宅ローンは本来その家に住むことが条件になっているため、賃貸に出すには銀行に相談が必要です。銀行によっては手続きをすればそのまま継続できる場合もあります。
また住宅ローン控除は適用されなくなります。これは痛いですね。ただし将来日本に戻ってきた際に残りの期間があればそこからは適用されます。
手続きが早い
海外に引っ越すとなると色々と慌ただしくなります。そんな時にとにかく手間をかけずに早く済ませたい場合は不動産屋に管理委託をして貸すのがよいでしょう。
日本の家を貸すデメリット
家を貸す場合の主なデメリットは以下の点です。
- 継続して管理や維持の手間とコストがかかる
- 空室の間は家賃収入は得られない
- 将来日本に戻った時に同じ家に住みたいとは限らない
継続して管理や維持の手間とコストがかかる
住宅ローンの支払いや管理委託費用以外にも、修繕費用等発生する可能性があります。
また毎年固定資産税を納める必要があり、賃料収入については確定申告が必要です。納税管理会社に委託すれば手間は省けますが、その分コストはさらに上がります。
空室の間は家賃収入は得られない
常に入居者がいるとは限らず、空室でも上記のコストは発生します。入居率は立地の要素が大きいため、賃貸の需要が低そうなエリアなら売りに出した方がよいかもしれません。
将来日本に戻った時に同じ家に住みたいとは限らない
日本に帰国する際はきっと出国時と同じかそれ以上にバタバタしていることでしょう。
そんなときに日本に家があれば、とりあえずそこかその近くに住むことになると思うんです。本来はその時点で住みたい場所、住みたい家に住むことができるのに。それは少しもったいないかなと個人的には思います。
【まとめ】どちらが良いかはケースバイケース
日本の家を売る場合と貸す場合のメリットとデメリットは以下の通りです。
売る場合
メリット | ・まとまったお金が手に入る ・管理や維持の手間とコストがかからなくなる ・将来日本に戻った時に好きな場所に住める |
デメリット | ・家を手放すことになる ・手続きに時間がかかる ・住宅ローンを完済する必要がある |
貸す場合
メリット | ・家を所有していられる ・家賃収入が得られる ・手続きが早い |
デメリット | ・継続して管理や維持の手間とコストがかかる ・空室の間は家賃収入は得られない ・将来日本に戻った時に同じ家に住みたいとは限らない |
よくどちらが得かという議論がありますが、個人および環境の状況によるので一概には言えません。早めに不動産屋に相談してみるのが良いと思います。
未来は誰にもわからないので、損得よりも自身や家族の考えを大事にして決めた方が良いと思います。