なぜアメリカのエアコンはうるさいのか
うるさいことで有名なアメリカのエアコンについて理由をまとめてみました。時間がない方は結論だけどうぞ!
- アメリカではセントラル空調が多い
- 稼働しているときの大きな音は室内機のファンの音
- 稼働していないときの音は中央冷暖房装置の稼働音やダクトの音
- アメリカのセントラル空調には風量という概念が存在せず、オンのときは常に日本のエアコンの最大風量以上の音が出る。
アメリカのエアコン
アメリカのエアコンの普及率
アメリカ全体としてのエアコンの普及率は90%程度といわれますが、実際の普及率は地域によってまちまちで、アラスカ州で7%、ワシントン州では53%、カリフォルニア州では72%、ここボストンがあるマサチューセッツ州では80-90%となっています。
特に緯度の高い地域ではエアコンの普及率は低い傾向がありますが、近年は温暖化の影響か夏の気温が高くなっているため、エアコンを新たに買い求める人が増えています。
家探しで色々見ましたが、ボストンも古い家はエアコンが付いていないことが多かったです。
アメリカのエアコンの種類
大きく分けると「セントラル空調」と「窓や壁に付けるタイプ」の2つあります。アメリカ北西部のエアコンはこの2つが大体半々といったところです。
セントラル空調
アメリカでうるさいのはこれ!
建物内にダクトを張り巡らせ、各部屋の送風口にあるファン(室内機)でダクトを通じて冷暖房装置からの冷気や暖気を送り込むという仕組みです。建物全体を暖めたり冷やしたりするのに適した方式で、一軒家や新しいアパート、戸数の多いアパートはほとんどこれ。
日本でも大規模オフィスや商業施設などでよく採用されています。しかし日本と違うのは、風量設定がないという点。
また、アパートなどについているタイプは、送風口から部屋に冷気や暖気を送り込むのと同時に、部屋の空気を吸気口から吸い込み中央冷暖房装置に送るため、ファンが最大風量でまわります。
また稼働していない時も、中央冷暖房装置の稼働音やダクトの音が聞こえることが多いです。
窓や壁に付けるタイプ
これらは日本の住宅にあるものと同じです。部屋を個別に暖めたり冷やしたりするのに適しています。特に窓に付けるタイプは、安価で簡単に取り付けできるので、セントラル空調のない古い住宅でよく使われています。
壁付けタイプは日本の住宅で最も普及しているものですが、アメリカではあまり見かけません。壁に穴を開けたり、室外機を個別に置かなければならないのがネックなんだと思います。
アメリカの最近のエアコン事情
Nestの登場
セントラル空調が一般的なアメリカで、2011年に登場してから人気なのがNestというスマート空調管理システムです。その後32億ドルでGoogleに買収され、今はGoogleのスマートホーム製品となっています。Nestは一見ただの壁付けリモコンですが、温度設定できる以外に、人感センサーを搭載し外出時は自動でオフにしたり、好みや生活パターンを学習して温度調節したり、スマホと連携して外出先から操作したりすることができます。
家探しでまわっても、新しいアパートはほとんど全てNestが付いてました。
Nestでも音問題は解決せず
確かにNestは従来のアメリカの温度管理システムよりは優秀ですが、風量の設定がないので音の問題は全く解決されておらず。オンになると日本のエアコンの最大風量(かそれ以上)の音となりうるさいです。。
うちのアパートもセントラル空調で、下の写真のように各部屋のエアコンの吸気口(ここにフィルターを入れます)の上にNestが付いています。が、Nestでは風向きも風量も変えられないので日本のエアコンの方が高機能ですね。(笑)
風向きや風量を変えたければ、上部にある吹き出し口の羽の向きを変えたり閉じたりすることで一応変えられます。原始的ですが。
まとめ
- アメリカではセントラル空調が多い
- 稼働しているときの大きな音は室内機のファンの音
- 稼働していないときの音は中央冷暖房装置の稼働音やダクトの音
- アメリカのセントラル空調には風量という概念が存在せず、オンのときは常に日本のエアコンの最大風量以上の音が出る。