アメリカの卵の選び方
アメリカのスーパーで誰しも戸惑う卵の種類についてまとめてみました。
生で食べられる卵はある?
日本から来るとまず誰しも思うのがこれです。
結論から言うと、ほとんどないと思っていいです。残念ですが。。
実際アメリカの卵には火を十分通すように注意書きもあります。
なのでアメリカで卵かけご飯は食中毒のリスクがあるのでやめておいたほうが無難です。
卵の食中毒のほとんどは殻の外側についたサルモネラ菌などが原因!
日本の卵は生食用として、次亜塩素酸で洗いながらブラッシングして、急速乾燥させてさらに紫外線で殺菌するという徹底した洗浄をしているので安心して食べられますが、海外でこんなことをやっている国は他にないのです。
アメリカの卵の種類について
アメリカのスーパーにある卵は、主に鶏の「飼育環境」と「餌」の違いで分かれています。オリジナルブランドしかないTrader Joe’sでさえ7〜8種類もあります。
鶏の飼育環境の違い
Cage-Free
最近では一番多く、また一番安く売られているものがこれにあたると思います。
Trader Joe’sでの価格は2.99〜3.49ドル(2023年3月時点)
Cage-Freeと聞くと放し飼いかなと思うかもしれませんが、全く放し飼いではありません。
小さなCage内で身動きさせずに育てる従来の飼育方法に対し、Cageではなく多層になったhen house(鶏小屋)内で育てる飼育方法を指します。
良さそうに聞こえますが、Freeという言葉に騙されてはいけません!実際にはCageのかわりにhen houseにギュウギュウに詰め込まれているので身動きなんてできず、結局従来の狭いCageとほとんど同じです。
Free-Range
Cage-Freeより少し高いのがFree-Rangeです。
Trader Joe’sでの価格は4.69ドル(2023年3月時点)※これはOrganicなので高め
こんどこそ鶏に自由が与えられていると思うかもしれませんが、これもそうではありません。
Free-Rangeは、hen-houseが複数つながった構造になっており、また外にアクセスできる小さな出入り口もあります。しかしCage-Freeと同じくやはりギュウギュウに詰め込まれているので、全ての鶏が自由に外に出られるわけではありません。
結局のところ、Cage-Freeとの違いはほとんどないと言われています。
PasturedまたはPasture-Raised
これが最も高い卵です。
Trader Joe’sでの価格は4.89ドル(2023年3月時点)
Pastureとは牧草、牧場という意味で、1羽あたり108平方フィート以上の放牧地で育てられた鶏です。他と比べると鶏にとっても一番良い環境で、自然の餌を食べて育つため栄養価も高いと言われています。
ちなみに下でも書いてますが、低温殺菌された卵は「Pasteurized」と言います。Pasture-Raisedと似ていますが間違わないように!
鶏の餌の違い
普通の餌
特に記載のないものは普通の餌で育てられています。PasturedまたはPasture-Raisedの場合は虫や草などの自然の餌も食べています。
Omega-3-Enhanced
亜麻仁や魚油を含む餌を与えられているため、通常の卵の約12倍のオメガ3脂肪酸(EPAやDHAなど)を含んでいます。日本と比べあまり魚を食べないからか、アメリカでは健康のためにオメガ3脂肪酸を摂取することが人気です。
Organic
合成肥料や抗生物質などが含まれない餌で育てられた鶏です。
Pasteurized
いちおう生食が可能な卵もあることはあります。Pasteurizedは低温殺菌された卵です。もし生卵を食べたければこれがよいのですが、Whole FoodsやTrader Joe’sなどの身近なスーパーには売っていないので入手が難しいかもしれません。
また、上に書いたような飼育方法は不明な場合が多いかも。
それにしても「Pasture-Raised」と似てますよね。。
私も「Pasture-Raised」を「Pasteurized」だと思っていたことがあります。みなさんは間違わないように!
おすすめの卵は
倫理的にも卵の質的にも、Pastured / Pasture-Raisedがおすすめです。
Pastured / Pasture-Raisedな時点で自然の餌を食べているので、Organicかどうかはあまり気にする必要ないと思いますが、Organic好きの方はPastured / Pasture-RaisedのOrganicを選ぶのが良い思います。一番高価ですが。。
アメリカで卵について注意すること
購入時に割れていないかチェックが必要
アメリカに限りませんが、海外ではパックの中の卵が最初から割れていることがよくあります。特に紙のケース!
透明プラのケースなら外から確認できますが、紙ケースの場合も買う前に必ず開けてチェックしましょう。
卵に触れたら手を洗いましょう
アメリカの卵は基本的に洗浄消毒されていないため、卵の殻にサルモネラ菌など付着しているかもしれません。調理時に卵に触れたら念のため手を洗いましょう。
卵の殻はディスポーザーに流しちゃダメ!
卵の殻は比重が重いので配管詰まりの原因になります。日本でも同じですが、ディスポーザーには入れずに生ゴミで捨ててください。